2018年1月28日日曜日

第二回公判期日報告

1月26日、雪がまだ残る都内。今回は傍聴抽選券が8時20分から9時までの配布になったため、福島始発の新幹線でも行列に並ぶことができました。状況が改善されたことには感謝しますが、そもそも福島地裁で行われていれば…と思わざるを得ません。東京地裁での傍聴には、時間とお金と手間がかかるのです。

前回と同じように厳重な身体検査を終えて法廷内へ。前回1列目に着席した被告人3人は、3列目に座りました。
10:00 裁判長から争点の説明
10:12 証人入廷
証人は、3.11当時、東電の原子力設備管理部の部長代理で、その後、東電事故調で報告書の取りまとめに関与した社員。午前中は、福島原発の仕組みや、原発と原爆の違い、発電方法、火力との違い、制御棒や5つの壁など、原発に関するレクチャーを受けているかのような質問が続きました。そして、報告書の中で指摘された津波を防ぐ措置、非常用電源を高台に置く、防潮堤を築く、扉の水密化などが取られていたら、事故を防げたことも認めました。
昼休憩
13:15 再開
続いて午後も、OP10mの敷地の上に10mの防潮堤を築いていれば、津波を防げる可能性があったことを証人は陳述。工事は大規模で困難なものになっただろうとの言葉もありましたが、できることであるなら、間違いなくやるべきだったと思います。
被告側の弁護士は、10m+10mの工事がいかに困難かを示すためか、証人に復水器の取水配管と放水配管の位置を地図上で示すよう求め、2色のマーカーで色付けをする時間を長く取りました。そうした「大変」アピールも、「大規模なものになるが可能」という証人の証言で否定されたと思います。
H20.6.10の津波対策会議に証人も出席し、そこで津波が最大15.7mの可能性があることを社内の土木調査グループから告げられました。その会議で、証人自身は発言していないそうですが、「違和感を覚えた」と証言しました。その日に配布されたカラーの資料に「10mに10mの壁が必要」という記載があるのですが、証人は「記憶がない」と答えました。「土木調査グループの担当者とは立ち話をしたが、試算の精度について回答はもらっていない。違和感は払拭されなかった」と証言。さらに「土木学会に検討を依頼したことは妥当な判断だった」と、東電がこの問題を先送りしたことは正しい判断だといった証言もありました。
しかし、それまで最大6.1mだった津波想定の倍以上の数字が出てきたというのに、「違和感」程度の感覚しかなく、先送りは妥当という認識も、原発を扱う企業として無責任なものではないかと思いました。もし何かあれば、多くの人の命を奪い、さらに多くの人の人生を狂わせる原発。それを扱う企業はもっともっと臆病でなければいけないと思います。不安要素がひとつでもあるなら、炉を止めて万全の対策をすべきだったのです。東電の無責任な姿勢を改めて見たように思いました。
16:30 閉廷

次回は2月8日。

第3回以降の 公判期日予定

2月8日(木)、28日(水)
4月10日(火)、11日(水)、17日(火)、24日(火)、27日(金)
5月8日(火)、9日(水)、29日(火)、30日(水)
6月1日(金)、12日(火)、13日(水)、15日(金)
*2月8日は10~12時頃、他は10時~17時頃
*傍聴整理券配布時刻は未定ですがおそらく8時20分~9時頃と思われます。
 裁判所HPでご確認ください。判明しましたら当ブログにも掲載いたします。