2018年4月22日日曜日

第7回公判期日 公判併行集会

4月17日は福島原発刑事訴訟の第7回公判期日でした。
傍聴券を求めて早朝から170人が並びました。


11時より公判併行院内集会が開催されました。
午前の部は、土井敏邦監督映画『福島は語る』より、一部を上映。
午後の部は、放射性ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会の和田央子さんより、「もうひとつの内部被ばく ~仮設焼却炉現場からの報告~」と題して報告がありました。



公判終了後は、弁護団からの報告、記者との質疑応答があり、団長のあいさつをもって閉会しました。
次回公判は4月24日(火)です。




2018年4月19日木曜日

刑事裁判傍聴記:第7回公判(添田孝史)

「錦の御旗」土木学会で時間稼ぎ


 4月17日の第7回公判は、希望者170 人から抽選で選ばれた65人が傍聴した。
 この日は、10日、11日に引き続き東電・高尾誠氏の3回目の証人尋問。弁護側の宮村啓太弁護士が反対尋問を続け、その後、検察官役の神山啓史弁護士らが再主尋問、さらに裁判官が質問した。

 高尾氏の証言を聞いていると、2007年以降の福島第一原発は、ブレーキの効かない古い自動車のようだった。
 ブレーキ性能(津波対策)が十分でないことは東電にはわかっていた。2009年が車検(バックチェック締め切り)で、その時までにブレーキを最新の性能に適合させないと運転停止にするよ、と原子力安全委員会からは警告されていた。ところがブレーキ改良(津波対策工事)は大がかりになると見込まれ、車検の日に間に合いそうにない。そこで「あとでちゃんとしますから」と専門家たちを言いくるめて車検時期を勝手に先延ばしした。「急ブレーキが必要になる機会(津波)は数百年に一度だから、切迫性はない」と甘くみた。

東京・JR四ツ谷駅近くの公益社団法人土木学会

 一方、お隣の東北電力や日本原電は車検の準備を2008年には終えていた。それを公表されると、東電だけ遅れているのがばれる。東電は「同一歩調を取れ」と他社に圧力をかけて車検を一斉に遅らせた。
 そして2011年3月11日。東電だけは予測通りブレーキ性能が足りず、大事故を起こした、という顛末だ。以下、細かくみていこう。

目次
土木学会を言い訳にしたのは東電だけ
長期評価の対策で事故は防げなかった? 
「運転停止」の可能性を恐れる
3回のまとめ

◯土木学会を言い訳にしたのは東電だけ


 宮村弁護士は「武藤氏は、福島沖でどんな津波を想定すべきか土木学会に審議を依頼した。2012 年10月にまとまる予定だったその結果が厳しいものであろうとも、それに従い、対策を行うことにしていた。その東電の方針に、多くの専門家から異論は出なかった」という事実を、当時の会合記録や高尾氏の証言から固めていった。
 権威ある学会に検討してもらい、その結果に素直に従って対策をとる。その進め方に専門家の同意も得た。ここだけ聞いていると、武藤氏は悪くなかったのではないかという主張も説得力を持つように見える。話がわかりやすく、喋り方も明瞭で、資料の使い方もうまい宮村弁護士の話に引き込まれると、ますますそう思えてくる。

 しかし注意深くみていくと、その論理はところどころ破綻している。

2018年4月12日木曜日

刑事裁判傍聴記:第6回公判(添田孝史)

2008年8月以降の裏工作


 4月11日の第6回公判は、希望者157人に対し傍聴できたのは68人だった。
 この日の証人は、前日に引き続き東電・高尾誠氏。検察官役の神山啓史弁護士が尋問を続け、さらに午後の休憩以降は、弁護側の宮村啓太弁護士が質問した。
 前日10日は、2007年11月から2008年7月31日の武藤元副社長が津波対策先送りを決めた「ちゃぶ台返し」までの動きが中心だった。この日の公判は、それ以降、事故発生までを中心に時系列に沿って尋問が続けられた。
 「ちゃぶ台返し」決定と同時に、もともとは2009年6月に終える予定だった津波対策を先延ばしするために、武藤氏の指示のもと、東電は様々な裏工作を開始する。安全審査を担当する専門家の同意をとりつける作業、他社が東電の先を行かないようにする調整、原子力安全・保安院との交渉などだ。検察が集めていながらこれまで公開されていなかった関係者の電子メールをもとに、数多くの新事実が明らかにされた。

◯「甘受するしかなかった」高尾氏
 この日の公判で、東電社内に2010年8月に設けられた「福島地点津波対策ワーキング」という組織の位置づけが初めて明確になった。このワーキングは、本店原子力設備管理部(吉田昌郎部長)のもとにある津波対策に関わる部署(高尾氏の所属する土木調査グループ(G)、機器耐震技術G、建築耐震Gなど)が参加して立ち上げられたものだ。なぜか政府事故調は「頭の体操的なもの」として役割を軽視していたが、高尾氏の証言した実態は大きく異なっていた。

 このワーキングは、まず2009年6月ごろに高尾氏が一度提案していたが、上層部に拒否されて断念していたのだという。2008年から検討されていた津波対策は、各部署がばらばらに海水ポンプや建屋の水密化などを検討していた。高尾氏は「全体がわかる人がキャップになって有機的に結びつけて検討する必要があると考えた」「将来的に対策工が必要になる可能性は高い。そのために早期に検討、工事を行う必要がある」としてワーキング構想の資料を作り、上司に進言した。
 しかし「そのような会議体は不要である」と上層部は拒否。高尾氏は「最適化されているように見えなかったので進言したが、しっかりやっていると拒否されたので、甘受するしかなかった」と証言した。
 一旦つぶされた構想を、高尾氏は2010年7月に自身がグループマネジャーに昇任したのち、ふたたび提案。そのころ直属の上司らも交代していたことも要因になったのか、今度は受け入れられてワーキングが発足した。

 「もし1年早く、最初の進言の時にできていれば」と、海渡雄一弁護士は記者会見で悔やんでいた。建屋やモーターの水密化などの対策はそれほど時間がかからないからだ。

 高尾氏は、武藤氏の指示のもと研究者への説得工作も行っていた。2008年10月ごろ、秋田大学の研究者に面談した際の記録には「長期評価の見解を今すぐ取り入れないなら、その根拠が必要でないかとのコメントがあった」「非常に緊迫したムードだったが、(東電の方針を)繰り返し述べた」と書かれていた。大組織のサラリーマンの悲哀を感じさせる記録だった。

◯東電の「貞観隠し」
この時期の東電「裏工作」で最も悪質なのは、先行する他社の津波想定を、自分たちの水準まで引き下げようとしていたことだろう。

 2008年秋に、東電は平安時代に発生した貞観地震(869年、マグニチュード8.4)の最新論文を入手した。津波堆積物を解析したこの論文は、貞観地震は福島県沖(地図の佐竹モデル8、佐竹モデル10)で起きたと推定していた。東電が論文に従って計算したところ、この地震による福島第一への津波高さは9m前後になり、原子炉建屋のある高さ10mの敷地には遡上しないものの、海岸沿いにある重要な非常用海水ポンプなどが水没して機能しなくなることがわかった。

 東電は「まだ研究途上で、どこで地震が起きたか確定していない」として、津波想定に取り入れないことを決め、東北電力など近くに原発を持つ電力会社に伝えた。ところが東北電力は、女川原発の津波想定に、この論文の成果を取り入れる方針を決めており、東電に同社が(報告書に)記載することは不都合でしょうか」と尋ねていた。
 これに対して東電は「同一歩調が当社としては最も望ましい。女川では(貞観津波を想定しないと)話にならないということであれば、あくまで「参考」として(保安院に)提示できないか」と東北電力に意見を伝えていた。

 結局、東北電力は貞観津波について東電の意見通り「参考」扱いに変えた。さらに報告書の提出を約1年以上遅らせた。提出遅れに東電が関与したかどうかは今のところ不明だ。

◯反対尋問と残った疑問
 宮村弁護士による反対尋問は、2002年の長期評価による津波地震の津波よりも、東日本大震災の時の津波が大きいから、長期評価に備えた対策では事故を防げなかったという従来の弁護側の主張に沿ったものだった。弁護側の主張を補強する新たな事実は示されなかった。

 残った疑問は、当初2009年6月とされていた津波想定の報告書提出が、2016年まで引き延ばされた経緯だ。これは高尾氏ら実務担当者の業務にも影響が大きいと思われるが、公判では触れられていない。次回公判や、今後証人として登場してくるであろう高尾氏の上司らの証言で、さらに解明が進むと期待している。

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添田 孝史 (そえだ たかし)
サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
(ともに岩波新書)





2018年4月11日水曜日

第6回公判 東京地裁前行動

今日は昨日に続き、福島原発刑事訴訟の第6回公判期日です。
昨日と同じく、東電の津波対策担当者の証人尋問があります。
裁判所も重要証人と考えており、次回の公判も同人の証人尋問が予定されているという事で、非常に注目される期日となります。
今日は傍聴席を求めて157人が列を作りました。


東京地裁前行動 スピーチ(要約)

福島県三春町 庄司郁子さん
 私はいわき出身の講談師、神田香織さんの「あきれ果ててもあきらめない」という言葉が好きで、いつも頭に浮かんできます。これからもしつこく、粘り強くいくことが大切だと思っています。次々に明るみに出てくる真実、前川喜平さんの言葉ではないですが、有ったことを無いことにはできない、それがきちんと司法の場で明らかにされることを望んでいます。
 先ほど、歴史的な場面に立ち会っているのだ、と話がありましたが、私たちの個の力、一人ひとりの力で実現していきたいと思います。どうかみなさまの力を貸してください。これからもよろしくお願いします。


埼玉県所沢市 宇野知左子さん
 私たちは勝手連的にですが、第二次告訴の時に告訴人になった仲間が、佐藤団長に所沢に来ていただいた集会の時、参加者満場一致で、福島原発裁判を支える会・所沢を結成させました。年配者も多いですが、こういう形で支援できるならと、裁判所前の集会に度々参加させていただいています。
 大体3か月に1回、河合弁護士監督の映画も全部やりましたし、おしどりマコ・ケンさんのトークもついこの間やりましたし、何かしら催し物をやり、そのたびに支援団の参加を呼び掛けました。福島の出身の仲間は福島弁で訴えかけています。相馬焼のお茶碗を出して、福島にはこんな素晴らしいものがあると訴えて。
 所沢で集めた会員はもう150人近くになります。これからもそのような形で支援団を広めていこうと思っています。どうぞみなさん一緒に頑張りましょう。


福島県田村市から避難 熊本美彌子さん
 私は福島県田村市から避難をしています。東京でも損害賠償裁判をやっていまして、先日判決が出ましたが、満足できるものではないので、控訴をしようという事で動いております。
 私たちの裁判にとってもこの刑事裁判は、とても重要な裁判だと思っています。昨日も一日傍聴しましたけれども、今日はいったいどういう展開になるだろうかと興味津々でまたやって参りました。みなさまほんとうにどうもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。


福島県南相馬市から避難 山田俊子さん
 私は南相馬に田舎暮らしがしたくて行きましたが、4年もせずに避難することになってしまいました。
 私は、日本の豊かな国土を台無しにしてしまったというその事を、しっかりと東電や国に反省してもらいたい。100年や200年のことではないということをしっかりと反省してもらいたいと思って、今、刑事裁判の「厳正な判決を求める署名」活動を拡散しています。みなさんよろしくお願いします。



刑事裁判傍聴記:第5回公判(添田孝史)

津波担当のキーパーソン登場

 4月10日の第5回公判は、希望者165人に対し傍聴できたのは68人だった。
 この日の証人は東電の高尾誠氏。私が高尾氏の姿を見たのは6年ぶりだった。ずいぶん白髪が増えていたが、表情は以前よりすっきりした感じに見受けられた。武藤栄元副社長の津波対策先送りに「予想外で力が抜けた」とまで率直な証言をする、その覚悟を決めていたからだろうか。

 高尾氏は1989年に東電に入社。柏崎刈羽原発の土木課で4年働いたのち、1993年に本店原子力技術部土木調査グループに異動。その後は東通原発に勤務した期間(3年)をのぞいて、事故まで約15年間、本店の土木部門で津波や活断層の調査を担当していた。東電の津波対応の全てを知っている「最重要の証人」(海渡弁護士)である。今回を含めて計3回の公判期日が高尾氏の尋問にあてられていることからもわかる。
 公判は、検察官役の神山啓史弁護士の質問に高尾氏が淡々と事実関係を答える形で進められた。

◯長期評価が焦点
 焦点は、2002年7月に地震調査研究推進本部(地震本部)が発表した長期評価を、東電の技術者はどう考えていたかだった。この長期評価は、福島沖の日本海溝沿いでM8級の津波地震が起きうると予測していた。その津波高さを計算すると15.7mになる(第4回公判傍聴記参照)
 高尾氏の証言で明らかになった重要な事実は、津波想定を担当していた東電本店の土木調査グループの技術者たちは、2007年11月以降ずっと福島沖M8への対策が必要だと考えていたことだ。東電の事故調査報告書は「15.7mは試し計算である」として、本気では取り組んでいなかったかのような記述をしていたが、それは誤りであることがはっきりわかった。
 地震本部の長期評価を取り入れるべきだと考えた理由として、高尾氏は以下のような項目を挙げていた。
1.専門家へのアンケートで、長期評価支持が半数を超えていた
2.東通原発の設置許可申請で、長期評価を取り入れていた
3.地震本部は国の権威を持つ機関である
4.原子力安全・保安院で古い原発の安全チェックをする会合の主査である阿部勝征・東大教授(故人)が、長期評価を強く支持していた
5.確率論的な津波評価でも、敷地を超える津波が発生する確率は、対策が必要と判断される値だった

◯現場は一貫して「対策必要」
 高尾氏ら現場の技術者は、2007年11月からずっと対策の検討を進めていた。「対策を前提に進んでいるんだと認識していた」と高尾氏は証言した。それが2008年7月31日、わずか50分程度の会合の最後の数分で、武藤副社長から突然、高尾氏が予想もしていなかった津波対策の先送りが指示される。高尾氏は「それまでの状況から、予想していなかった結論に力が抜けた。(会合の)残りの数分の部分は覚えていない」と証言した。今回の公判のクライマックスだった。
 高尾氏の上司である酒井俊朗氏は、この日の結論について、他の電力会社に以下のようなメールを送っていた。

  推本《地震本部》で、三陸・房総の津波地震が宮城沖~茨城沖のエリアのどこで起きるか分からない、としていることは事実であるが、 原子力の設計プラクティスとして、設計・評価方法が確立しているわけ ではない。(中略) 以上について有識者の理解を得る(決して、今後なんら対応しないわけではなく、計画的に検討を進めるが、いくらなんでも、現実問題での推本即採用は時期尚早ではないか、というニュアンス)。   以上は、経営層を交えた現時点での一定の当社結論となります。 
 
 11日以降の公判で、この「有識者の理解を得る」ために東電が何をしたかが明らかになるだろう。

◯浮かび上がった疑問
 公判を聞いていて、いくつか疑問が浮かんだ。東電は、他の電力会社とも連絡をひんぱんに取り合っていたことがこの日の公判で示された電子メールで明らかになった。それによると2008年7月時点で、東北電力はバックチェック最終報告書を2008年12月に予定していた。ところが実際には2010年春まで延ばされ、報告書も公開されなかった。この背景に、東電が津波想定を先延ばしたことがあるのではないのだろうか。東北電力が先行して最終報告を出すことに、東電が抵抗したのではないかということだ。東北電力が先にだせば、東電が高い津波の対策ができず最終報告を先延ばししていることが明らかになってしまうからである。
 もう一つは、東北大学・今村文彦教授の意見が変わってしまったことだ。今村教授は、原発の安全審査にかかわる津波の専門家として、東電も重く見ていた。2008年2月26日に高尾氏が面談した時は、「福島県起き海溝沿いに大地震が発生することは否定できないので波源として考慮すべきであると考える」と話していたと、公判で示された東電の記録でわかった。またアンケートでも、長期評価を支持する方に多くの重みを置いていた。  しかし住民らが東電や国を訴えている集団訴訟に、今村教授が出した意見書では「福島県沖の日本海構沿いでも発生することを想定した津波対策をすべきであったとはいえない」と述べている。今村教授はいつ、考えを変えたのだろうか。これも今後の公判で解明を期待したい。

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添田 孝史 (そえだ たかし)
サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
(ともに岩波新書)

2018年4月10日火曜日

第5回公判 東京地裁前行動

今朝は、福島原発刑事訴訟の第5回公判の傍聴券を求めて、165人が並びました。
告訴団と支援団は、8時20分から東京地裁前でアピール行動を行いました。


東京地裁前スピーチ(要約)


佐藤和良 福島原発刑事訴訟支援団 団長
 今日の公判は、証人尋問が行われるということです。これから審議が集中して行われます。傍聴の参加も大変ですので、ご都合のつくときに参加してください。より多くの方に福島原発事故の現実を知って頂いて、なぜこの福島原発事故が起きたのか、その原因と事実の真相を明らかにしていきます。

 これまで第1回から第4回まで裁判が開かれました。業務上過失致死傷罪で、勝俣・武藤・武黒と東電元幹部が強制起訴されましたが、きわめてシンプルな事件だと思います。地震津波によって過酷事故が起こると知りながら、回避措置をせず原発事故に至ってしまったという、きわめてシンプルなものです。
 この裁判が2012年の告訴団の告訴によって、ようやくここまで来たという事の意味は、とても大きいと思います。あの1万5千人余の告訴・告発がなかったなら、福島原発事故の真相も明らかにされず、誰一人としてこの事故の責任を問われることがなかったのです。

 いま、国会で森友・加計問題、自衛隊日報問題、いろいろな問題が出てきていますが、結局は、この国が法治国家ではなく人治国家となり、安倍首相による安倍首相のための国家に成り下がってしまっています。この国の行政機構も官僚も、今こそ自らの襟を正して、国民のために奉仕する全体の奉仕者として、自らの役割というものを再確認して出直してもらいたいと思います。

 司法もまた同じだと思います。検察は、最後の段階で東京地検が不起訴にしました。しかも、この4回の公判で明らかになったように、地震津波が太平洋から全面に渡って押し寄せるシミュレーションもあったのに、東京地検は、茨城県方面の南部から来る津波しか想定できなかったと不起訴にしたのです。なぜ、このような誤った理由で不起訴にしたのか、いままた問われなければなりません。森友・加計問題、自衛隊日報問題、これらと同じような根っこが、司法や検察の動きの中にも見て取れるのではないでしょうか。

 そういう意味で、この裁判はこの国のあり方の根っこを変えていくための大事なたたかいです。そういう裁判でもあるという認識を新たにして、また明日、27日、5月には4回、6月も4回と、たいへんですが、みなさん体を壊さないよう、この場に駆け付けていただいて、公判闘争をみんなでたたかっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。今日また一日、みなさん、頑張っていきましょう。



いわき市 斎藤春光さん
 最近、被災地では、命と暮らしが失われる例が露見してきています。毎朝、訃報を確認しますが、いわきへの避難者の方がここで亡くなる、そういう高齢者が毎日見られます。こういう人はかなりいます。被災自治体の職員も、被災の事務処理に疲れ果て、地元住人から文句を言われ、自分も被災者でありながら住民の救済をしなければならないとストレスに追い込まれ、職場に出られなくなってしまうような、そういう事例はたくさんあります。今も続いています。

 原発労働者は給料を中抜きされています。下請け構造がどうのこうのと言われますが、そういうことではなく、東電が直接払えばよいことです。東電が責任をあいまいにし、こういう構造を自身のために利用しています。諸悪の根源は東電です。
 被災者は生活を奪われ、住居を奪われ、今の住処から追い出されようとしています。
避難者は20ミリシーベルトという基準を押し付けられ、帰還を強制されているのです。被災者は泣いています。

 一方で加害者の東電の三被告人、最初は痩せてげっそりしていたが、第4回公判では、色つやもよく、大変元気なようです。加害者がほくそ笑む、こういう現状は何としても許せません。こういう現状を打破するために、加害者に責任を取らせるために、みんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

2018年4月9日月曜日

4月10日・11日と連日の公判です!

4月10日は第5回公判、11日は第6回公判と、二日連続で公判が開かれます。
証人尋問が予定されているそうです。
公判は10時~17時、傍聴整理券配布時間は8:20~9:00です。
10日・11日は公判併行の集会はありません
裁判終了後に、報告会のみを開催します。

■4月10日 第5回公判期日 10~17時
 ○傍聴整理券配布時間 8:20~9:00
 ○東京地裁前行動 8:20~8:30
 ○裁判終了後の報告集会
  ・開始時刻未定(裁判終了後に開会)
  ・会場 参議院議員会館 101

■4月11日 第6回公判期日 10~17時
 ○傍聴整理券配布時間 8:20~9:00
 ○東京地裁前行動 8:30~8:40
 ○裁判終了後の報告集会
  ・開始時刻未定(裁判終了後に開会)
  ・会場 参議院議員会館 102

第7回以降の 公判期日予定

【4月】17日(火)、24日(火)、27日(金)
【5月】8日(火)、9日(水)、29日(火)、30日(水)
【6月】1日(金)、12日(火)、13日(水)、15日(金)
*開廷10時~閉廷17時頃
色つきの日は、公判併行集会を開催します。
*傍聴整理券配布時刻は未定ですがおそらく8時20分~9時頃と思われます。
 裁判所HPでご確認ください。判明しましたら当ブログでもお知らせいたします。

2018年3月8日木曜日

刑事裁判傍聴記:第四回公判(添田孝史)

 事故3年後に作られた証拠


 2月28日の第4回公判は、傍聴希望者187人に対し傍聴できたのは62人で、約3倍の倍率だった。
 この日の証人は東電設計の久保賀也氏。東電設計は東電が100%の株を持つ子会社で、原発など電力施設の調査、計画、設計監理などを担っているコンサルタント会社だ。久保氏は、同社の土木本部構造耐震グループに所属し、津波計算などの技術責任者を務めていた。
 今回の公判では、東電設計が計算した、以下の三つの津波シミュレーション関連を中心に尋問が進められた。

1.)政府の地震調査研究推進本部が2002年に予測した津波地震が福島沖で発生したら、福島第一原発にどんな津波が襲来するか。また、どのような対策が考えられるか
2.)もし1.)にもとづいて対策を実施していたら、2011年の東北地方太平洋沖地震の時、津波はどのくらい福島第一に浸水したか
3.)東北地方太平洋沖地震の津波を防ぐには、防潮壁の高さはどのくらい必要だったか

 証人尋問では、最初に指定弁護士の石田省三郎弁護士が、1.)のシミュレーションの経緯について明らかにしていった。東電設計は、東電からの依頼や打ち合わせの内容、資料、出席者等を品質マネジメントシステムISO9001の定めにしたがって詳細に記録していた。検察が持っていたその記録が、事故の経緯を明らかにする上でとても役立つことが、この日の証人尋問で見えてきた。
 久保氏は、2007年11月から2008年夏にかけて、どんな考え方で1.)のシミュレーション作業を進めて高さ15.7mの津波想定を求めたか、また10mの防潮堤を設置する対策案の位置づけなどを証言した。津波を低くするために、東電が「摩擦係数の見直しができないか」と依頼し、東電設計が断わっていたことも明らかにした。

 一方、弁護側の宮村啓太弁護士が強調してきたのは、2.)や3.)のシミュレーション結果だ。
 1.)のシミュレーションで、東電設計は海抜10mの福島第一原発敷地の上を、ぐるりと全部取り囲む形で高さ10m(海抜20m)の防潮壁を設置する案を示していた。
 2.)のシミュレーションは、いくつかの仮定にもとづいている。1.)で提案されていた敷地全部を取り囲む防潮壁のうち、海抜10m以上の津波が打ちつける部分「だけ」に、ピンポイントで防潮壁を作る。具体的には、敷地南部、北部と、中央のごく一部だけだ。その他の大部分の区間には防潮壁は設けない。
 そのような、櫛の歯が欠けたような状態の防潮壁の配置のもとで、東北地方太平洋沖地震の津波が襲来したらどうなるかを計算すると、敷地の広範囲に浸水する、というのが2.)の結果だ。「対策をとっていても事故は避けられなかった」という東電側の主張を支えるものである。
 これに対して石田弁護士は、2.)について、「敷地の一部だけに防潮壁を作るという対策が、工学的にありうるのか」と久保氏に尋ねた。久保氏は「弱い」と返答。「あまり考えられないのでは」という念押しに、「そうですね」と認めた。
 2.)のシミュレーションは、40以上計算した津波地震の発生パターンのうち一つに絞り、それへの対策をピンポイントで実施する仮定にもとづいている。断層の位置、傾きなど地震の起こり方が少しずれるだけで、敷地のどこが一番高い津波に襲われるかというパターンも異なってくる。その不確かさを久保氏も認めた形だ。

 3.)のシミュレーションは、東北地方太平洋沖地震の津波が全く敷地に遡上しないようにするためには、高さ何mの防潮壁が必要だったか試算。その結果、最大で高さ23m以上が必要だったことがわかったとしていた。
 これについては、シミュレーション結果を詳しくみると、高さ23m以上の防潮壁が必要となるのはごくわずかの区間だけであることが石田弁護士から示された。高さ10mで全周を覆っていれば「(事故防止に)一定の効果があった」と久保氏も証言した。

 そもそも、2.)3.)のシミュレーションは、勝俣・元会長ら3人に対し、検察審査会が「起訴相当」(起訴すべきだ)という1回目の議決を出した2014年7月の後で実施されたことも尋問の中で明らかにされた。事故から3年以上も経過したそのタイミングで2.)3.)のシミュレーションを実施した理由について久保氏は「わからない」と答えた。
 しかしこの時期のシミュレーションは、「対策を取っていても事故は避けられなかった」という東京地検の不起訴判断を補強するために、東電や検察の意向に沿って実施されたように見える。そもそも、千万円単位にのぼるシミュレーション費用を誰がどういう名目で負担したのかも気になる。

 弁護側が重視する2.)3.)のシミュレーション結果に、どれだけの意味があるかについては、4月以降の証人尋問で、さらに詳しく明らかにされることだろう。

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 添田 孝史 (そえだ たかし)
 サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
 著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
 (ともに岩波新書)


2018年3月1日木曜日

第4回公判期日「津波想定は小さくならないか」と東電が再検討依頼!

報告会・記者会見で解説をする海渡弁護士と甫守弁護士

2018年2月28日、双方請求の証人喚問が行われました。証人は東電設計(株)の久保さん。東電設計は原発施設の調査、設計、管理を行う東京電力のグループ企業で、証人は平成19年(2007)に、同年に起きた中越地震を受けて、東電からバックチェックの一環として1Fと2Fの津波評価を業務委託されました。平成20年(2008)、最大で15.7mを超える可能性があることを含む報告書が黒表紙の分厚いファイルにまとめられ、東電の担当者に伝えられました(当時の担当者の反応は「覚えていない」と証言)。その1カ月後くらいに、東電担当者から「解析条件を変えることで、津波想定の数値を小さくできないか」と再検討依頼!! 証人は「数値は土木学会の長期評価に則ったもので、それはできない。解析条件を変えて試算しても数値は15mを超え、ほとんど影響なかった」また「いずれにせよ非常電源の場所は上回っており対策が必要」と伝えたことを証言しました。証人は敷地10m盤の上に10mの防潮堤を作るシミュレーションも作成していました。
午後、被告の弁護士から、平成26年(2014)に証人が作成した防潮堤のシミュレーション図3点が示されました。レゴブロックで作ったかのように凸凹した形の防潮堤の図表は、311で津波がどのように当たり分散されたか、東電が東京地検(検察審査会)に提出するためのものだったとのこと。この図では、防潮堤で津波は防ぎきれなかった、防潮堤に当たるとさらに波が高くなる可能性もあった、防潮堤が壊れる危険性もあったなどとされ、事故が起きた後で東電が責任回避のアリバイ作りに奔走していた様子が伺い知れました。
最後に裁判官から「平成20年の報告書は、東電の担当者以外、知らせなかったのか」と問われ、証人は「どこから耳に入ったのか、本部長と社長からどうなっているのか訊かれ、説明したことがある」と証言。(え~、社長って、清水? 清水?)と傍聴席はざわつきましたが、東電設計の土木本部長と社長であることがすぐそのあとの証言でわかりました。しかし、東電担当者に伝えた「最大15.7m」の衝撃は、驚きをもって東電社内に伝わったことが明白になった瞬間でした。

■動画
 ・UPLAN【裁判所前集会・報告集会】福島原発刑事裁判第4回公判・崎山比早子講演

・UPLAN【記者会見・報告会】福島原発刑事裁判第4回公判


2018年2月26日月曜日

2月28日は第4回公判期日!

2月28日(水)は第4回公判期日です。
今回の公判では、2008年の15メートルを超える津波計算に関わった関係者の証人尋問が行われるそうです。
また、28日は、公判併行の院内集会を開催します。
場所は参議院議員会館のB-107号室(地下1階)です。
集会の午後の部には、支援団賛同人で医学博士の崎山比早子さんの講演があります。
ぜひお集まりください!

第4回公判期日
2月28日(水)

東京地方裁判所
8:20~9:00 傍聴整理券配布
8:20~8:30 東京地裁前行動
9:00~    『厳正な判決を求める署名』第3回提出
10:00    開廷

院内集会 参議院議員会館 B-107室(地下1階)
11:00~ 告訴団「被害者の証言」上映
12:00頃   午前の公判の報告 弁護団より報告
休憩
14:00  講演 崎山比早子さん(医学博士、3・11甲状腺がん子ども基金代表理事)
15:30  休憩
15:45  原子力教育を考える会「放射線のホントのこと」上映
16:30頃 閉会

公判報告会・記者会見
参議院議員会館 B-107室(地下1階)
開始時間:公判終了の30分後から90分程度 弁護団の解説等

お問合せ:080-5739-7279(告訴団事務局)

2018年2月12日月曜日

武藤被告ら 具体的な津波対策を継続議論、第3回公判

風のたよりー佐藤かずよし (2018年 02月 11日) より転載)

 2月8日、福島原発事故の責任を問う、東電3被告の刑事裁判(業務上過失致死傷罪)の第3回公判が開かれました。
 2月8日午前7時30分、厳寒の東京地裁前に到着。傍聴券の抽選のため、傍聴整理券の交付指定場所を確認。傍聴整理券の配布時間は8時20分から9時まで。今回も150人を越す方が並びました。

 8時30分には、東京地裁前のアピール行動がはじまり、東京地裁刑事第4部永淵健一裁判長あての『厳正な判決を求める署名』の第2回提出分1,466筆(合計は4,593筆)の集約を確認して、9時に代表団が提出しました。

 9時、傍聴券の抽選結果をうけて、地裁104号法廷へ。筆記用具以外は持ち込み禁止。今回も一人一人携帯品を全部取り出ささせ、体を金属探知機でチェックした上に、いやがる女性たちを尻目に、過剰警備を思わせる、異例の衛士によるボディタッチのチェック後、ようやく入廷しました。

2018年2月11日日曜日

刑事裁判傍聴記:第三回公判(添田孝史)

決め手に欠けた弁護側の証拠

第3回公判では、指定弁護士側が3点、東電元幹部の弁護側が64点の新たな証拠を提出し、双方の弁護士がその要旨を読み上げた。証人は出廷せず午前中だけで終わる地味な法廷だったが、内容は興味深かった。弁護側がこれからどんな方向で東電元幹部の無罪を主張しようとしているか、垣間見えたからだ。

 弁護側の証拠は、大きく三つのグループに分けられた。
 一つは、中央防災会議(内閣府)の関係者らによる、「地震本部の長期評価(2002)は信頼性が低い」などという一連の証言だ。しかし、以下の違いを無視している。中央防災会議が当時ターゲットとしていたのは数百年に一度起きる確実度の高い災害だ。一方、原発が考慮しなければならないのは、10万年に1回起きる災害である。長期評価の予測する津波地震が、中央防災会議としては防災対象に取り入れにくい数百年に一度以下の頻度であったからといって、原発でも無視して良い、という理由にはならない。

 二つ目は、日本海溝の北部(三陸沖)、中部(福島沖)、南部(茨城沖)で海底の構造が違うので、北部から南部まで、どこでも同じように津波地震が起きるという長期評価は間違っているという考え方に沿った一連の学術論文だ。しかし、これも説得力は低い。そもそも地震本部は、弁護側が持ち出してきた論文も考慮に入れた上で長期評価をまとめている。また、その後の研究の進展も反映して長期評価は2011年3月時点で改訂作業中だったが、そこでも弁護側が持ち出したデータも参照した上で「日本海溝のどこでも津波地震は起きる」という結論は見直されなかった。さまざまな学術論文やデータをとりまとめた長期評価を、単独の論文で崩すのはとても難しい。学問的にはすでに決着済みの問題なのだ。

 三つ目、おそらくこれが弁護側主張の柱になるのだろう。「長期評価に備えた対策をしていたとしても、東日本大震災時の津波はもっと大きかったので、事故はふせげなかった」という主張を裏付けるための、東電による津波解析、検察の捜査資料などだ。
 これにも疑問が残った。長期評価の津波地震に備えるため、敷地を北から南まで全面に覆うように高さ10m(海抜20m)の防潮壁があった時に、東日本大震災級の津波が襲来したら、どのくらい浸水するのかというシミュレーションの結果は、示されていない。証拠で出されたのは、敷地一部に防潮壁を作った場合では、東日本大震災級の津波は防げなかったというデータばかりだ。
 また、敷地を全面に覆う防潮壁を建設するには、数年間の運転停止が不可欠になると思われる。津波への耐力不足が明らかなのに運転を続けながら工事をするのを地元に認めてもらうのはかなり困難だと思われるからだ。2008年に防潮壁建設にゴーサインが出れば、東日本大震災の時、福島第一原発は工事のため運転は止められており、事故は確実に避けられただろう。「長期評価への対策では、事故は防げない」という弁護側の主張は、運転を止めずに工事することが前提になっており、そこも弱い。

 弁護側の主張3つの柱は、これまでも民事訴訟で国や東電が持ち出してきたが、前橋地裁(2017年3月)や福島地裁(同年10月)の判決で認められなかった論法と同じだ。弁護側が、刑事裁判に提出してきた新たな証拠でも、それを覆すような説得力は持ち得ないように見えた。この程度の証拠で、弁護側は戦ってくるのか、それともまだ秘策を隠しているのか。今後の展開が興味深いところだ。

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 添田 孝史 (そえだ たかし)
 サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
 著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
 (ともに岩波新書)


2018年2月7日水曜日

明日2月8日は第3回公判です!

2月8日は福島原発刑事訴訟の第3回公判期日が開かれます。
第3回公判期日は、証人尋問ではなく、新たな証拠の提示があるそうです。
公判は午前中で終了する予定とのことです。

この日は院内集会はありません。

第3回公判期日
2月8日(木)

東京地方裁判所 第104号法廷
8:20~9:00 傍聴整理券配布
8:40~9:00 東京地裁前行動
10:00 開廷


裁判終了後、司法記者クラブにて記者会見を行います。
福島原発刑事訴訟 第3回公判についての記者会見
日時 2月8日(木)12:30~
場所 司法記者クラブ(東京高裁2階)
出席 福島原発刑事訴訟支援団 団長 佐藤和良
   福島原発告訴団 団長 武藤類子
   福島原発告訴団弁護団 海渡雄一弁護士ほか

2018年2月6日火曜日

第2回公判集会報告(1)

地裁前行動

佐藤和良支援団長 あいさつ
厳しい寒さの中、福島をはじめ全国からお出かけいただきまして誠にありがとうございます。
7年前の3月11日、多くの人たちが生活を引き裂かれ、全国に避難せざるを得ないほどの原発過酷事故。それを引き起こした責任を取らせるのがこの刑事裁判です。多くの人が、住宅を奪われ、あるいは家族が離れ離れにならざるを得ない状況にいまだに置かれています。
この刑事裁判が、そうした多くの被害者が救済されるための基礎になるたたかいだと思っています。
今日は第2回公判を迎えました。証人尋問がはじまります。今日の証人は、東電の事故調査報告書をまとめた社員だそうです。本当のことをどこまで話すのか重大な関心があります。今日の証人がきちんと事実を述べ、なぜこの事故に至ったのか、きちんと証言してほしいと思います。
4月から6月に13回の期日が指定されました。この東京地裁に駆け付け、真実が明らかになるよう、みんなで監視し、傍聴を続けていきたいと思います。
今日一日みなさん体に気を付けて、傍聴活動元気にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

庄司郁子さん 署名の第1回提出について
福島原発告訴団は2012年に告訴をしました。13年に不起訴にされましたが、14年に検察審査会が一般市民の感覚をもって、起訴相当の議決を出しました。検察はまた不起訴にしましたが、再び検察審査会が、「起訴すべき」という市民の判断を下してくださり、いまこの裁判につながっていきました。
一般市民の感覚を地裁に届けるために署名活動を始めました。開始1か月半で3,127筆集まりました。さらに、海外の声も集めるため、英文の署名を準備しています。
今日はこれを提出して、一般市民の感覚は、東電に刑事責任を取らせることが当たり前だという事を知らせたいと思います。どうぞみなさんもできる限り署名活動を広めてください。

院内集会 動画

呼びかけ人 神田香織さん(講談師)スピーチ

映画「福島は語る」 土井敏邦監督スピーチ

甫守・海渡・大河弁護士による第2回公判の報告


2018年2月2日金曜日

佐藤和良支援団長講演 チェルノブイリ・フクシマ京都の集い

2018年2月17日(土)、京都市で「チェルノブイリ・フクシマ京都の集い」が開催されます。

福島原発刑事訴訟支援団の佐藤和良団長が講演を行います。
「福島原発事故の責任を問う」と題し、刑事裁判の報告、福島の現状などを話します。
お近くの方はぜひご参加ください。

開催概要
日時:2018年2月17日(土)18:00~20:00
会場:ハートピア京都ホール
  ○京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車 5番出口(地下鉄連絡通路にて連結)
  ○京都市バス、京都バス、JRバス「烏丸丸太町」バス停下車
   烏丸通り沿い南へ
講演:「福島原発事故の責任を問う」 佐藤和良 福島原発刑事訴訟支援団長
参加費:500円
主催:チェルノブイリ・フクシマ京都実行委員会(075-465-2451 佐伯)
  :福島原発告訴団関西支部(075-711―4832 NPO法人 市民環境研究所)

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2018年2月1日木曜日

2月8日 第3回公判の傍聴整理券配布時間が発表されました

2月8日に、福島原発刑事訴訟の第3回公判期日が開かれます。
裁判所から、傍聴整理券配布時間が公表されました。
第3回公判期日は、証人尋問ではなく、新たな証拠の提示があるそうです。
公判は午前中で終了する予定とのことです。

この日は院内集会はありません。

第3回公判期日
2月8日(木)

東京地方裁判所 第104号法廷
8:20~9:00 傍聴整理券配布
8:40~9:00 東京地裁前行動
10:00    開廷

裁判終了後、司法記者クラブにて記者会見を行います。

福島原発刑事訴訟 第3回公判についての記者会見
日時 2月8日(木)12:30~
場所 司法記者クラブ(東京高裁2階)
出席 福島原発刑事訴訟支援団 団長 佐藤和良
   福島原発告訴団 団長 武藤類子
   福島原発告訴団弁護団 海渡雄一弁護士ほか

2018年1月31日水曜日

海渡弁護士の第2回公判報告

2018.1.31
海渡雄一弁護士
第2回公判報告
-今後の刑事公判の予定と第2回公判で明らかになったこと-

福島原発告訴団弁護団・刑事訴訟被害者参加代理人
弁護士 海渡雄一


第1 はじめに

福島原発事故をめぐる東電役員らの刑事責任を問う裁判の第2回公判期日が平成30年(2018年)1月26日(金)に東京地裁104号法廷で開かれた。その概要を報告する。

2018年1月30日火曜日

防潮堤「不可能ではなく可能」、第2回公判で東電社員証言

風のたよりー佐藤かずよし より転載)

2018年 01月 27日
 1月26日、福島原発事故の責任を問う、東電3被告の刑事裁判(業務上過失致死傷罪)の第2回公判が開かれました。
 1月26日午前7時30分、冷え込んだ厳寒の東京地裁前に到着。まだ係員もおらず正門は閉まっていました。午前10時からの開廷に向け、傍聴券の抽選のための傍聴整理券の交付指定場所を確認。今回、傍聴整理券の配布時間は8時20分から9時までになり、97席の傍聴席のうち報道関係者用などを除いた、63の一般傍聴席のため約250人の方が並びました。

 8時30分、東京地裁前のアピール行動がはじまり、東京地裁刑事第4部永淵健一裁判長あての『厳正な判決を求める署名』の第1回提出分3,127筆を集約を確認、9時に代表団が提出しました。
 9時、傍聴券の抽選結果をうけて、地裁104号法廷へ。筆記用具以外は持ち込み禁止、前回同様、一人一人携帯品を全部取り出ささせ、体を金属探知機と衛士によるボディタッチという、最高裁判所並みと言われる異例のボディチェックが今回も実行され、ようやく入廷しました。
 裁判官3名と検察官役の指定弁護士5名、被害者参加制度により委託を受けた弁護士5名、被告弁護人7名が着席していました。東電旧経営陣の勝俣、武黒、武藤の3被告は、何と、裁判長の指示で冒頭のテレビ撮影が行われた後に、入廷してきました。勝俣被告は眼光鋭く、武藤被告共々元気そうです。

 10時、永渕健一裁判長が開廷を宣言。

2018年1月29日月曜日

刑事裁判傍聴記:第二回公判(添田孝史)


 2018年1月26日、都心の気温は午前7時前にマイナス3.1度まで下がっていた。
 東京地裁で7か月ぶりに開かれたこの日の第2回公判から、証人を呼んで指定弁護士(検察側)、元東電3幹部の弁護側が尋問する形で裁判が進められた。
 この日の証人である上津原勉氏は、事故当時は原発の安全対策を担う原子力設備管理部の部長代理。事故後は、東京電力自身による事故調査の報告書の作成に関わり、データを集めたり、原案をまとめたりする仕事を担当していたという。
 昨年6月の初公判を私は傍聴できなかったので、今回初めて、被告人や弁護士などを見ることができた。
 「ああ、この人が強制起訴を決めた検察審査会で補助員をしていた山内久光弁護士か」などと思いながら法廷に並ぶ顔ぶれを眺めていた。法廷左手の弁護側席の後ろの列に、被告人の武藤氏、勝俣氏、武黒氏が並んで座っていた。武黒氏は、やや顔色が悪いようにも見えたが、勝俣、武藤両氏は元気そうだった。勝俣氏は右手で頬杖をついて、証人の方に強い視線を向けているときもあった。
 公判の午前中は事故に関する基礎的な事実関係のおさらい。
原発の説明の現場で良く見かける日本原子力文化財団の資料
http://www.ene100.jp/map_5
などを使い、原発の仕組みや、東電福島事故の経過などを上津原氏が説明した。
 その後、法廷で進められたやりとりでは、ポイントは二つあったように見えた。

「想定超え対策」は後知恵なのか

一つは、海辺に建設する防潮堤、敷地上に作る防潮壁、重要機器の水密化、発電機を高台に設置するなどの対策を事前に行えば、事故を防ぐことができたのかどうかだ。弁護側の宮村啓太弁護士は、そのような対策をする発想は事故後の「後知恵」であって、事故前には、どこも検討さえしていなかったと証人から引き出そうと、質問の仕方を様々に変えながら繰り返した。
 それに応じて上津原氏は「想定を超える津波への対策を検討したことはない」という趣旨のことを述べた。「それは事実と異なっているな」と思っていたら、傍聴席右手の指定弁護士側席の後ろの列から、石田省三郎弁護士がムクリと立ち上がった。そして、上津原氏に東電社内の福島地点津波対策ワーキング会議で2010年8月以降、想定超え津波に対する検討が実施されていたことを指摘。上津原氏は「それは知っている」と答えた。
 「想定超えを検討したことはない」という上津原氏の前言が鮮やかにひっくり返され、オセロゲームを見ているような感覚だった。

「防潮壁は南側だけ」のわかりにくさ

もう一点、宮村弁護士が強調しようとしていたのは「地震本部の長期評価にもとづいて防潮壁を作るとしても敷地南側だけになった。だから今回の津波は防げなかった」という従来からの東電側の主張だ。
 津波シミュレーションを時系列で並べた図、敷地内の津波水位分布図などのカラー図版(弁護側資料3)を証言台横の書画カメラで映し出し、「この図からどんなことがわかるか」と、上津原氏に説明を求めた。
 宮村弁護士は、敷地南側の前面で水位が高いので、南側だけに防潮壁を作ることを検討することになっただろうという証言を期待していたように見えた。しかし、そもそも図の意味が説明されていないので、傍聴者には、法廷でのやりとりの内容が、とてもわかりづらかった。
 カラー図版のうち、いくつかは東電株主代表訴訟ですでに提出されているものと同じに見えたが、見たことのない水位分布図もあったからだ。公判後に海渡弁護士らに図の意味を教えてもらって、弁護側の「防潮壁は南側だけになる」という主張に、相当無理があることが、ようやく理解できた。
 今後の公判でも、証拠書類の詳細が示されないまま法廷で専門的なやりとりがなされれば、傍聴する人が理解するのは、とても難しいだろうな、と予感させられる出来事だった。これから、さらに専門的な証人が続くので心配である。

2008年6月10日の会合

上津原氏は、2008年6月10日に、武藤氏に15.7mの津波高さが報告された重要な会合にも出席していた。その時の記憶を尋ねられると、「当事者としての記憶と、事故調とりまとめにおける記憶とが重なっている」という趣旨の発言を繰り返した。そもそも上津原氏は、機械のメンテナンスなどが専門であり、津波予測の信頼性についての証言に重みがあるとは思えない。しかし事故に関わる重要な会合に当事者として参加していた人物に、事故調査報告をとりまとめさせていたとは、東電の事故調査に対する姿勢が疑われる。
 今後の公判で、20人以上登場する証人は、より事件の核心に近い人に近づいていくようだ。これまで隠されてきた事実が、明るみに出されることを期待する。

 添田 孝史 (そえだ たかし)
 サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
 著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
 (ともに岩波新書)


2018年1月28日日曜日

第二回公判期日報告

1月26日、雪がまだ残る都内。今回は傍聴抽選券が8時20分から9時までの配布になったため、福島始発の新幹線でも行列に並ぶことができました。状況が改善されたことには感謝しますが、そもそも福島地裁で行われていれば…と思わざるを得ません。東京地裁での傍聴には、時間とお金と手間がかかるのです。

前回と同じように厳重な身体検査を終えて法廷内へ。前回1列目に着席した被告人3人は、3列目に座りました。
10:00 裁判長から争点の説明
10:12 証人入廷
証人は、3.11当時、東電の原子力設備管理部の部長代理で、その後、東電事故調で報告書の取りまとめに関与した社員。午前中は、福島原発の仕組みや、原発と原爆の違い、発電方法、火力との違い、制御棒や5つの壁など、原発に関するレクチャーを受けているかのような質問が続きました。そして、報告書の中で指摘された津波を防ぐ措置、非常用電源を高台に置く、防潮堤を築く、扉の水密化などが取られていたら、事故を防げたことも認めました。
昼休憩
13:15 再開
続いて午後も、OP10mの敷地の上に10mの防潮堤を築いていれば、津波を防げる可能性があったことを証人は陳述。工事は大規模で困難なものになっただろうとの言葉もありましたが、できることであるなら、間違いなくやるべきだったと思います。
被告側の弁護士は、10m+10mの工事がいかに困難かを示すためか、証人に復水器の取水配管と放水配管の位置を地図上で示すよう求め、2色のマーカーで色付けをする時間を長く取りました。そうした「大変」アピールも、「大規模なものになるが可能」という証人の証言で否定されたと思います。
H20.6.10の津波対策会議に証人も出席し、そこで津波が最大15.7mの可能性があることを社内の土木調査グループから告げられました。その会議で、証人自身は発言していないそうですが、「違和感を覚えた」と証言しました。その日に配布されたカラーの資料に「10mに10mの壁が必要」という記載があるのですが、証人は「記憶がない」と答えました。「土木調査グループの担当者とは立ち話をしたが、試算の精度について回答はもらっていない。違和感は払拭されなかった」と証言。さらに「土木学会に検討を依頼したことは妥当な判断だった」と、東電がこの問題を先送りしたことは正しい判断だといった証言もありました。
しかし、それまで最大6.1mだった津波想定の倍以上の数字が出てきたというのに、「違和感」程度の感覚しかなく、先送りは妥当という認識も、原発を扱う企業として無責任なものではないかと思いました。もし何かあれば、多くの人の命を奪い、さらに多くの人の人生を狂わせる原発。それを扱う企業はもっともっと臆病でなければいけないと思います。不安要素がひとつでもあるなら、炉を止めて万全の対策をすべきだったのです。東電の無責任な姿勢を改めて見たように思いました。
16:30 閉廷

次回は2月8日。

第3回以降の 公判期日予定

2月8日(木)、28日(水)
4月10日(火)、11日(水)、17日(火)、24日(火)、27日(金)
5月8日(火)、9日(水)、29日(火)、30日(水)
6月1日(金)、12日(火)、13日(水)、15日(金)
*2月8日は10~12時頃、他は10時~17時頃
*傍聴整理券配布時刻は未定ですがおそらく8時20分~9時頃と思われます。
 裁判所HPでご確認ください。判明しましたら当ブログにも掲載いたします。






2018年1月16日火曜日

第二回公判期日 傍聴券配布時間が発表されました

東京電力福島第一原発事故の責任をめぐって、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された福島原発刑事訴訟の第二回公判期日が、1月26日に開かれます。
裁判所は、今日、傍聴整理券配布時間を公表しました。
報道によると、第二回公判期日では、東京電力の事故調査報告書を取りまとめた社員への証人尋問が行われるようです。津波対策等の社内の議論について、この証人がどのような事を知っていたのか、事実を包み隠さず証言してくれるのか注目です。

初公判期日の際は、傍聴整理券配布締め切り時間があまりにも早く、福島からでは間に合わない方もおり、配布時間を見直していただくよう要請しました。(参考:2017年10月13日付記事)
事情をくみ取って頂けたのか、次回は配布時間が繰り下がります。席は限られますが、多くの方に裁判所まで来ていただけますよう呼びかけます。
福島からは貸切バスを出します。ご乗車になる方はご連絡ください。

第二回公判期日
1月26日(金)

東京地方裁判所
8:20~9:00 傍聴整理券配布
8:40~9:00 東京地裁前行動
9:00~    『厳正な判決を求める署名』第1回提出
10:00    開廷

院内集会 参議院議員会館 講堂
11:00~  院内集会 午前の部 リレートーク等
12:00頃    午前の公判の報告 弁護団より報告
休憩
14:00~  院内集会 午後の部 呼びかけ人・神田香織さんスピーチ 
~16:20頃 土井敏邦さん監督映画試写・スピーチ など

記者会見 参議院議員会館 講堂
開始時間:公判終了の30分後から 弁護団の解説等

福島からバスが出ます!
行き 福島駅西口前 6:00~郡山教組会館7:00
帰り 参議院議員会館19時頃発(公判の終了時刻によって多少前後します)
お問合せ:080-5739-7279(告訴団事務局)






ひだんれん「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウム」

ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)主催のシンポジウムが郡山市ビッグアイで開催されます。

 

ひだんれん主催 「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウム」

原発震災から7年が経とうとしています。

原発事故後の放射線被曝を軽視した帰還政策の中では、避難者も、福島に生きる人も、同じように著しい人権侵害を受けています。
私たちは何ら分断されるものではなく、同じ被害者です。
私たち被害者は、どのようにして奪われた人権を取り戻したらよいのでしょうか。
このシンポジウムを通じて、共に考え、共にこの状況を変えていきましょう。

●日時:2018年1月21日(日)
●会場:市民交流プラザ 大会議室(郡山駅前ビッグアイ7階)
●プログラム
 13:30 開会あいさつ
 13:35~14:20 基調講演「原発震災と奪われた人権・行政の責任と役割」
        今井 照さん( 公益財団法人 地方自治総合研究所主任研究員)
 14:20~15:20 シンポジストからの発言
        中里見 博さん(大阪電気通信大学工学部人間科学研究センター教授)
        崎山 比早子さん(特定非営利活動法人 3・11甲状腺がん子ども基金代表理事)
        千葉 由美さん(いわきの初期被曝を追及するママの会代表)
 15:20~15:30 休憩
 15:30~16:30 ディスカッション
        コーディネーター 佐藤和良(ひだんれん幹事・いわき市議会議員)
 16:30~16:50 ひだんれんの紹介、閉会あいさつ
●連絡先:Tel 080-2805-9004 /メール hidanren@gmail.com
 ブログ:http://hidanren.blogspot.jp/

https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9MzVjSGZpcDJkU3JfaGUxTU43YlFWcnNxZWxR/view