ページ

2017年7月2日日曜日

「東電刑事裁判」第1回公判報告


2017年6月30日10時、ついに東電3被告の刑事裁判が始まりました。
傍聴の抽選券(リストバンド)の配布は早朝7時半から8時20分まで。福島市を朝4時に出発したバス組は配布に間に合いませんでした。郡山始発6時12分の「なすの」はどうにか間に合いましたが、福島からの傍聴者を締め出すかのような時間帯の配布には疑問を感じます。100席ある大法廷ですがその半分をメディアが占拠し、一般の傍聴席は高倍率(14.4)になりました。貴重な傍聴券を入手できた人たちは、厳重なボディチェックを受けてようやく法廷へ。今はカメラ付きのメガネもあるそうで、持ち物はすべて検査されました。こうした所持品検査の時間が必要なため、傍聴券の抽選時間が早まったのだろうと思われ、次回から改善をお願いしたいところです。
裁判官は、男性2人と女性1人。傍聴席から右側に検察官役の指定弁護士。左側には東電側の弁護士。3被告は、写真撮影が終わり傍聴人が着席した後で、おもむろに入廷しました。裁判官の前に進み出た3人は、それぞれに原発事故への謝罪を口にし(勝俣被告は声が小さく聞き取れないほどでしたが)、その後で「津波の予見は不可能であり、無実だ」と主張しました。
被告側の主張は「津波の予見は不可能」であり「津波対策の義務はなかった」し、「対策をしたとしても、311の規模の津波は防げなかった」というもの。そのことを裏付ける証拠45点を提出しましたが、ほとんどが旧保安院による証言ばかり。元東電社員など身内の証言、後付けの証言は、証拠としていかがなものかと感じました。
引き換え、指定弁護士たちが示した証拠の数々は、事故前の東電会議の議事録、御前会議議事録、津波担当者らのメールなど。東電が大津波を予見し、その対策を不可避と考えながら、怠っていたことは明らかでした。この裁判、負けるわけがありません。
この日は、17時までかかって起訴理由の読み上げや証拠の説明が行われ、3被告がまず退廷。冒頭の謝罪と無罪主張以外、3被告から声を聴くことはできませんでしたが、これから続く裁判の中で、3被告が良心に従って、真実を語ってくれることを願います。

****

地裁前・参議院議員会館集会 動画集